トマティス聴覚カウンセラー、森田さんのCAV発声について思ったこと、感じたことを随時載せていきます。
トマティス博士はとても哲学的な方で、CAV指導中の言葉も、著書の中でも「これってどういうこと?」と思う言葉がたくさんあります。
それが時を経て「あ、そういうことだったんだ。」「あ、なんかつながった」と遅ればせながら少しずつ熟成してきて、ある時やっと気づく、というような言葉であったり、あるいは、その言葉に出会った瞬間、遠い記憶の中で体のどこかが知っていた、と思うような言葉もあります。
その中のひとつ・・・
「人間とは自分に絶えず呼びかける天地万物の受信アンテナである」(出典:モーツァルトを科学する)
この言葉を初めて読んだ時、「あーそうだった」という感じで肩の力がスーっと抜けたのを覚えています。アンテナだから何も心配いらないのかも、と。 そして博士がハミングを指導してくださった時に、しきりに「何かをしようとしてはいけない」とおっしゃっていたこととつながりました。
言われた時は、「私は今ハミングをしようとしているのだから、何かをしようとしてはいけない、ってどういうこと???」と全くわかりませんでした。
「人間は何かをしよう思った瞬間から力が入る、だから何かをしようとはしてはいけない」とも博士は言いました。
人間はちょっとしたことでも、知らずと必要以上にがんばってしまうようです。
頑張る、字のごとく張ってしまい、息がとまってしまうのですね。
息=自分のリズムを止めたら、それこそ何もできない・・。ハミングを発信、ととらえてしまうと力が入ってしまうけれど、自分は受信アンテナと意識したら力はすっと抜けます。この状態でただ振動してそれを感じる、というのは本当にとっても気持がいいです。
このナチュラルで“気持がいい振動状態”でコミュニケーションできたら、受け手も気持よくなります。「共振している状態が共感である」とのことです。(これもby博士)
でもいいアンテナであるためには、垂直性が必要だそうです。
確かに・・・・。だから良い姿勢。
もひとつ言えば、垂直であると、地面からも天からもエネルギーをもらえる(これも受信か)そうです。
博士は来日時、日本は火山があるから地面のエネルギーをとても感じる、と言っていました。これも当時は、「ほんとかいな」と思っていましたが、自分の中が静かだったら、それをも受信できるのだろうな、と今は本当と思います。
トマティス博士のハミングは永遠に続くのかと思うほど長かった
なぜそんなに長くできるのか、の問いに対する答えが、
「自分の身体の内側の圧と外側の圧を1対1にする」でした。
またまた???。そして「こうなっている時により良いコミュニケーションができる」と。
自分の中の圧って何?と思いつつ、とりあえずイメージで“自分の中の圧”を強めてハミングしてみると、それはもはやハミング(響き)ではなく音になってしまい、しかもしかも、気分はけんか腰のような感じになり、その逆に“自分の中の圧”を弱めてみると、自分にふたをしたような、息がまともにできていないような、いじけたような心境になる・・・。
確かに上手くハミングができているなと思う時は、その響きも、境地もプラスでもなくマイナスでもなく、重さもなく・・・、非常にニュートラルな感覚。
このニュートラルな感覚だったら、確かにコミュニケーションはとりやすいだろうなぁ。打ち負かされず、打ち負かさず。おだやかな均衡状態。あっこれが1対1か。
だからコミュニケーションをしている時は、常に自分の体の響き(ハミング)を感じ続けること、と博士は言っていたのだ・・・。
響き(ハミング)がない、つまり力が入った状態で話すと、うるさいし、威圧的になる。だから特に、特にハミングに関しては、何かをしようと思ってはいけないのですね。体が響いているのを感じとることだけ。ということで、余計なエネルギーは必要ないので、ハミングは長く続く・・・・。
ある音楽家向けの本(トマティスの本ではないですが)に
「歌手は使用済みで老廃物だらけの空気が外の世界へ戻る途中で、耳に心地よい振動をその分子に与えてリサイクルしているのです。人間は排気ガスから歌を生み出しているのです」とありました。
「I Love you」とか、「je t' aime」とか「好きです」とかも排気ガスで言っちゃっているのかぁ、と思うとおかしいですが、その排気ガスを“心地よい振動で浄化して伝えている”と思うと、まあ素敵。空気清浄機はもしかしていらない?
CAVでも、「吐く息の流れに言葉が乗っているイメージで」といいますね。見えない息の流れを気にしてみると、伝えるという「意識のパイプ」のようなものが相手に届くかのようです。
この「意識のパイプ」がないと声は届かないのかも・・・。
挨拶をしても、聞こえているはずなのにいつも返事がかえってこないという人に、息の流れを意識して「おはようございます」と言ったら、大きい声で言ったわけでもないのに、こちらを見て、なんと挨拶を返してくれました!」という受講生がいました。
息の流れを意識すると、「あなたに伝えているんですよ〜」という心の矢印が出るんだなぁ、とことさらに思いました。
っていうことを考えていたら、小さい頃、遊んだ糸電話を思い出した・・・。小さい声でも確実に届く不思議さ。もちろん糸が振動を運んでくれているのだけど、「あなただけにお話しているのよ」といったワクワクの意識がそれをさらに手伝っているのかも、と思えたりもして・・。
以前、ある文章の読みの指導を日原先生より受けていた時、私の読みを聴いて日原先生はすかさず、「森田さんの身体がその文章を理解していない」とおっしゃいました。
自分の声も聴いて、ハミングも感じて、つまり身体の意識を持って読んでいるつもりでしたが、言われてみてハッとしました。
私は自分の声は聴いていたかもしれないのですが、言葉を聴いていなかったのです。・・・・言葉たちがおりなす情景を聴き取っていなかった。
そこで、その文章の情景をうっすら思い描きながら読んでみた。すかさず先生は「そうです、そういうことです」と。
(その時は、先生にOKを出されたうれしさよりも、せ、先生、なんでわかるのですか〜〜と、いつもながらの先生の神通力の方にただひたすら驚いたのでした・・・)
その情景に溢れているリズムに自分のリズムを同調させていなかったんだ・・・。しかもその調和を楽しんでいない。これが身体が文章を理解していない、ということか・・・。
自分の読みを録音して聞いても「なんでこんなにつまんないんだろう」という理由がここでやっとわかりました。
またその時、「ハート(心臓)のビートが入っていないとハートフルじゃないんです。」という日原先生がCAV中におっしゃた言葉がパッとよみがえりました。
ということで、最初にその文章を読んだ時のことを「ハミングも感じて読んだつもりだった」と書きましたが、ウソでした。
ハートフルじゃない読みで、内圧外圧1対1のハミングができているわけなかったのでした。