ハミングは包容力

CAVでは、まず自分の身体の響き(骨導音=ハミング)を認識し、その後、母音の発声に入ります。ここでは、各母音(a,i,u,e,o)の舌の位置と息の流れの方向をを学びます。それとともに、この母音発声では、CAVの本質とも言える重要なポイント!があります。

それは、母音が変わっても響きは変わらない、変えてはいけない、ということです。つまり、aを発声していても、uを発声していても、響きは同じであること、です。フランスのCVAインストラクターは、このことを次のように説明しました。「ハミング(響き)は無色透明の光源のようなものであり、母音は色がついたセロハン」なるほど、わかりやすい。赤いセロハンを光源の前にもってくると赤い光になり(例えばaの母音)、黄色いセロハンをもってきたら黄色い光になる(例えば、iの母音)。そして「ハミング(響き)に意思をいれないこと」とも。

無色透明のはずの光源にすこーし色がついていたり、そしてその具合が毎回違っていたりしたら、セロハンを通した後の光は、ちぐはぐになってしまう。

心地よい声とは、安心感、一定感があることだ。だから、母音が何であっても、ハミング(響き)が変わることがあってはいけない。

これは母音のことだけでなく、音程をとる時も同様で、音程が下がろうが上がろうが、ハミング(響き)は変えてはいけない。ハミングの中で、音程が遊んでいる感じ。これを教わった時、「あぁハミングは包容力なんだ」と思いました。

母のような包容力のハミングと、その中で自由に遊ぶ子供のような音たち。その二つを自分の中に同時に存在させる、というのが面白い。でもこの感覚をつかむまではそれなりに時間がかかるのだ。やっぱり日々繰り返すのみかぁ・・・。「追い求めてはいけない、日々の繰り返しである」(by アルフレッドトマティス)